本文を書き換えず、論文構成のチェックリストだけを AI に作らせる方法
構成の点検を頼んだのに本文が書き換わる場合、出力形式に置換文を許す余地があったのかもしれません。「問題・位置・根拠」だけのチェックリストを求め、確認と編集を分けます。
ソースで確認できる項目を決める
「構成を確認して」だけでなく、点検対象を列挙します。
| 項目 | 根拠 | ログで分かるか |
|---|---|---|
| 見出し階層の飛び | \section・\subsection の順序 | 通常は警告なし |
| 参照先の不足 | \ref に対応するラベル | 未定義参照になる場合がある |
| 未参照のラベル | ラベルへの参照を検索 | 警告なし。直ちに誤りではない |
| ラベルの重複 | 同名の定義が1つか | 重複警告の可能性 |
| 環境の対応 | \begin と \end | 環境のエラー |
| 図表の予期しない位置 | PDF の位置と番号 | 目視が必要 |
コンパイルに影響しない項目もあるため、検索と PDF の比較も使います。
禁止だけでなく出力形式を指定する
「変更しないで」より、問題・位置・根拠の3項目だけを返す形式が具体的です。
ソースの構造だけを確認し、ファイルを編集したり本文を書き換えて返したりしないでください。
Markdown 表の項目は「問題・位置・根拠」だけにしてください。
位置はパスとラベルで示し、根拠がなければ人による確認待ちとしてください。
コンパイルエラー・書式の問題・内容判断を分けてください。
未参照ラベルだけを理由に誤りと判定しないでください。
修正すると決めた項目は、その範囲だけを別の依頼で渡します。
照合できる位置を示す
ファイル名・ラベル・見出しを指定します。複数ファイルでは “Convergence” が何か所にもあり得ます。
構文エラーと構成の問題を混同しないよう、コンパイルできるソースを使います。次は意図的に未参照の小節ラベルを含む例です。
\documentclass[11pt]{article}
\begin{document}
\section{Method}\label{sec:method}
See Section~\ref{sec:method}.
\subsection{Convergence}\label{sec:convergence}
This subsection has a label that is not referenced elsewhere.
\subsection{Rate}\label{sec:rate}
This label is also unreferenced.
\end{document}
sec:convergence と sec:rate は \ref されていません。警告は出ず、それ自体が誤りでもありません。参照が必要かは内容に基づいて判断します。
検証できる指摘と内容判断を分ける
参照先の不足はソースで確認できます。一方、「論理がつながらない」「実験が不足している」などは本文と研究内容の判断が必要です。機械的に検証した事実として扱わないようにします。
位置のある指摘はソースで照合し、解釈を伴う提案は自分で評価します。
修正後はチェックリストと照合する
全体をコンパイルし、参照先を検索して、図表は実際のページで確認します。一時的な参照警告は、繰り返し処理の完了後に判断します。
| メッセージ | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
Reference 'eq:x' undefined | 参照先がない | 定義を戻すか参照を修正 |
Label 'sec:x' multiply defined | 同名の定義 | 一方を改名 |
\begin{document} ended by \end{equation} | 環境が不一致 | 境界を確認 |
There were undefined references. | 未解決または処理の途中 | 完了後に残った対象を調べる |
関連記事:位置の指定、安全な AI 修正、プロジェクト構成。
まとめ
- ソースで確かめる項目を決める。
- 置換文ではなくリストを求める。
- パスとラベルを座標にする。
- 内容判断と構造上の指摘を分ける。
EasyLaTeXで確認済みの変更を適用し、コンパイルして一覧と照合できます。